デパートマンから花屋への転職

新卒でデパートマンとして百貨店に勤務をしていました。学生時代からデパートでアルバイトを続けていた事もあり、就職も自然とその流れで百貨店へと就職活動を行い、結果、大手百貨店グループに採用していただき、売り場にて勤務に従事しました。約3年間、婦人服飾売り場での勤務を行い、日々、商品とお客様への対応などデパートマンらしいといえる業務に従事していたのですが、4年目の春にそれは起こりました。なんと人事部への異動です。

売り場で働きたいがために百貨店に就職したといっても過言ではない為、この時の心境を現す言葉が思いつきません。端的に”茫然”としてしまいました。この異動が契機となり、その後約半年で百貨店を退職する事に。

一旦退職した後に、自身の今後のキャリアプランをどうしていくか、若輩ながら思案をしていたのですが、ふとそんな時に”フローリスト”になろうと思いついたのです。なんとも突拍子もない動機なのですが、「自分が本当にしてみたい仕事は何か?」と自分を突き詰めて考えてみたところ、これまた学生時代の短期のアルバイトだったのですが、お花屋での勤務を経験してまして、丁度その時の業務にあたった現場が、ブライダル装飾とXmas装飾だったのですが、その時の感動やらが鮮明に蘇ってきたのです。

そこからは自分が師事してみたフローリストのお店を探してとにかくアプローチを行うといった活動を繰り返し、結果、希望の先生のお店にご縁をいただけました。何もかも環境も仕事内容も業務時間、労務環境などすべての面での違いは新鮮でもありましたが、やはりなれるまで大変でしたね。

業務面での大きな違いは、百貨店では常時店内での勤務で空調が年中効いている環境での仕事であった事に対して、フローリストのお仕事は現場です。店内は空調が効いてますが、装飾にでる現場は屋外もあれば屋内もあり、実に様々な環境へ出向いていきました。働く”現場”という意味での違いはかなりおおきかったです。また、接客要素が少なくなり、職人的な内容が多分に占める為、自身を見つめなおす事が非常に多かったことも思い出されます。技術の研鑽と向上、またそれを作品に具現化していく一連の作業はおいそれとできるものでは当然なく、地道な反復と努力によって磨いていくしかないことを実感しました。

労務環境については、百貨店はいわゆる大企業としての環境がそろっており、福利厚生面での充実が図られていましたが、フローリストは個人事業主のもとでの就業であった為、最低限の労務環境でした。もちろんそれについての不満などはなかったのですが、保険や税金のことなど自分で管理をしていく必要にせまられ良くも悪くも、百貨店での最終の人事経験がこの点の理解を助けたという感じでした。やりたいことを行えるという事で、その労務環境、福利厚生面での差は特に意識した事はなかったですが、今振り返ってみると相当な隔たりがあるのも事実ですね。

転職後に最大の問題として出てきたのが、個人事業主のもとで働くことのむずかしさでした。大企業は雇用が一定のレベルで守られていく為、給与などの条件面やその他待遇面での不利益が出る事はもちろんなかったのですが、個人事業主のもとでは、オーナーの意向によってすべての方向性ががらっと変わることが往々にしてあるということです。これは雇用されて働く上では非常に不安定感がある部分であり、相当のモチベーションがなければ続けていく上での障害にもなる部分です。一つ一つの不具合を相談の上、解消していく事が必要ですが、これはきりがない部分かもしれません。やはり、法人と個人のもとで働く差異というのは、一般的には安定感の有無というところに集約されてくるのでしょうね。

その後、様々な経緯を経て、再び一般企業への再就職をするにいたったのはこおういった差異に対する自身の理解と処理が足りなかった部分があるかもしれませんが、様々な雇用形態や労務環境、就業内容を経た事はその後のキャリア形成や人生上の経験として豊かな肥やしになっていると思います。 是非、ご参考下さい。